「有栖川家の密やかな愉しみ」千穐楽。演出家、徒然なるままに・・・

本日千穐楽を迎えます「有栖川家の密やかな愉しみ」ですが、出演者はなかなか苦戦している模様。厳密に言えば、私の要求に対して苦戦しています。

実は見た目に反して意外と難解な作品なのです。

解釈やテクニック、それらを統合し表現に昇華する感性、もしくは感覚といっても良いかもしれませんが、そういったもの全てが外から見ているよりも相当難しい・・・らしいのです。

まあ、泣いても笑っても本日が千穐楽。

良い公演になってくれることを祈って・・・と言うか・・・本番中、私は祈るしか術がない。

舞台公演も編集できれば良いのだが・・・即ち、その性質上、舞台の演出家にファイナルカット権はないのです。

その限りに於いて、舞台の演出家は常に欲求不満な存在と言わざるを得ない。

逆に、舞台=生の魅力はそこ、Live感にあると言っても過言ではない。

究極に言えば、演出とは不可能に挑戦する、決して報われることのない永遠の夢なのではないだろうか。

立ち現れては消えるのリフレイン・・・即ち、人生に於ける凡ゆる出来事を、自らの意思で完全にコントロールするのが不可能な様に・・・。

それでも理想を追い求める・・・人生、これ即ち演劇と言ったところか。

ABOUTこの記事をかいた人

十代の頃より音大教授に師事しクラシックの作曲を学ぶ。オリビエ・メシアン、ジョン・ケージ、武満徹などの現代音楽に傾倒。また演劇の分野では、曽祖父や両親の仕事の関係で幼少時代より新劇に親しむ。その後、劇作・演出家の津上忠氏の演出助手等、演出の研鑽を積む傍ら、作曲家としてはNTT等企業の音楽や前進座等の舞台音楽、ポピュラー音楽の作・編曲・プロデュース、etc.。日本テレビ系列・日本テレビ音楽(株)顧問(サウンドプロデューサー)等を経て、2010年からは楽劇座芸術監督として作品を発表し続けている。公益社団法人・日本演劇協会会員。